2012年10月26日金曜日

中立山集落での生活①

初めまして。滋賀県からこの新潟県中越地方の山奥地、中立山集落でインターン生として山の暮らしを研修させていただいている藤原智明です。

今日で、ここ中立山集落に来て2カ月が経ちました。

この2カ月間は、苦しいことと楽しいことが半々ぐらいの割合でした。
つまり、とっても充実している毎日を過ごさせていただいています。

8月25日の昼間に到着し、その日から茅葺き屋根の修復作業が始まり、炎天下の中、怒涛の日々が約1か月続きました。


これは、茅葺屋根の修復作業中の写真です。
最後の仕上げである鋏を使わせていただきました。
これは、槌を使い、茅を入れ込んでいるところです。




この他に、屋根裏で真っ黒の煤を顔にかぶりながらの針受け作業や、茅作り、それにロープの縛り方まで、たくさんの事を体験し学ばせていただきました。

この夏で、3件の茅葺屋根の修復に携わらせていただいたのですが、茅葺き屋根といってもそれぞれ形も違い、修復にも様々な手法があるらしく、お世話になっている小暮さんをはじめ、茅葺き職人たちがその場その場で話し合い、仕事を進めていく姿がとてもよかったです。

ですが、炎天下の中での作業はとてもつらかったです。
10時と3時のお茶の時間と、お昼ご飯の時間は、水分を取りまくりました。
時たま出る梨やスイカ、桃などの美味しさと言ったらもう半端ではありません!
すっごく美味しかったです。

この茅葺き作業では、津南などに行ったのですが、地元の方の訛りが全く聞き取れず、話を聞いて、流れに乗って笑顔でやり過ごしていました。
たまに、ふっと話を振られてもあたふたしてしまい、ここばっかりは難しいところです。
ここら辺の方は語尾に、「ごっつぉ」がつくことに気付きました。
少しづつ聞き取れるようになってきましたが、慣れるにはもう少しかかりそうです。

ちなみに、イギリスにも茅葺き屋根があるらしく、写真を見せていただいたのですが、とてもメルヘンな雰囲気でよかったです。
興味のある方は是非、調べてみてください。

そして、茅葺きが一段落ついたところで、稲刈りが始まりました。
稲刈りについても、とにかく知らないことだらけでした。

初めての稲刈りは、小暮さんの知り合いで小千谷市に住んでおられる阿部さんの田んぼのお手伝いでした。
腰につなぎを巻き、手狩りが始まりました。

初めての作業で最初はぎこちなかったのですが、だんだんと体が動きを覚えてゆき、とても楽しくできました。
しかし、その日の稲刈りが終わる間際に、指を切ってしまいました。

みなさんが口を揃えて言うことは、作業の始まりと終わりに怪我や事故が起こりやすいということ。
疲れが溜まってきた時や、終わり間際で緊張の糸が切れてきたときが危ないということです。

高い場所での作業が1日中続く時や、危険な道具を使っている際には、このことを注意していきます。

その日は阿部さん宅に泊まり、翌日の朝に帰ることになりました。
その夜は、計10人以上もの人が宴会が始まり、みなさんお酒が進み、大騒ぎでした。
僕もその日は特別にということで、缶ビールをいただきました。
まあ、いつも飲んでいるんですが…

この宴会では、凄いというか、変というか、背中の大きいおっちゃん達がいろいろ語ってくれました。
人生の中で、様々な経験をされているおっちゃん達の言葉には、軽い言葉がなく、頭を下げて聞くことしかできませんでした。
19歳といえども悩みというか、とてもたくさんの未熟なところがあって、そんな自分の変えたいところをズバリと言い当ててくれたり、自分だけでは気付けないところとか納得できないところも人に言われることで受け入れることもできて、なんせ元気をもらいました。

それに、小千谷にずっと住まれているお母さんがお子さんを連れきて、そのお子さんが生まれるまでの苦労の感動話を聞かせてくれて、宴会の場がなんかほんわかと温かい空間にもなり、最高に楽しかったです。

この2カ月間、思い返せばまだまだ書くことはありますが、これからは少しづつ更新していこうと思います。

ここ中立山周辺では、紅葉がとても見ごろになってきています。
風も日に日に冷たくなってきており、肌が秋を感じています。
森では木通や猿梨が実をつけ、柿や栗、きのこなど味覚も秋を感じています。

日に日に寒々しくなる季節、乾いた空気のなかではなぜか、愁いを帯びて思索にふける時間が多くなってしまいます。
でもそんな時間も好きです。

こんなに身体全体が秋を感じているのは初めてかもしれません!
楽しい!

ではまた!

5 件のコメント:

  1. 藤原さんこんにちは。私は長岡市(市街地在住)の、野田英世と申します。
    同じ新潟県の中越地方ですが、長岡のまちなかには中立山集落のことが聞こえて来るとはあまり言えず、レポートをとても興味深く読ませていただきました。
    私は建築の設計をしているのですが、藤原さんは何か古民家への技術や関心がおありの上で、中立山集落に赴かれたのでしょうか。

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    1. 読んでいただき、コメントまでありがとうございます。

      僕が今回この中立山集落での研修生活に応募させていただいた理由の1つに古民家での暮らしに関心があるということもあります。
      ここにきて古民家の修復に関する仕事はあるのですが、そのことを中心に学びたいと思い立って来たわけではありません。

      ですが、そういった技術や知識を少しでも今回の研修期間で身につけていこうと思っています。

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    2. なるほど、ありがとうございます。私も一度、中立山を訪れてみたくなりました。
      またそちらでのご様子など、ブログに載せていただけると嬉しいです。楽しみにしています。
      インターン生活、ぜひ頑張ってください!

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  2. こんにちは。
    まだ2ヶ月ちょっとだけど、大変さと楽しさ、それから充実感がすごく伝わってきました。
    もう少ししたら雪深い中立山になると思うので、その前につかの間の紅葉を楽しんでくださいね!

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    1. コメントありがとうございます。

      充実感が伝わって、とても嬉しいです。
      雪深くなるのが楽しみなような怖いような期待と不安が混ざった気持ちでいます。
      でも今は、つかの間の紅葉を楽しみます。
      ありがとうございます。

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